相続手続きどうすればNO8~遺産分割協議をする①(現物分割・換価分割・代償分割・共有)~

相続手続きどうすれば―6.遺産分割協議をする①(現物分割・換価分割・代償分割・共有)―

相続手続きどうすればNO1で確認した全体像と流れの6番目、「遺産分割協議をする」について。
NO1相続手続きの全体像と流れはこちら

遺産分割協議で大切なこと!

遺産分割協議で大切なことは、「透明性」ではないでしょうか。
遺産分割協議に限らず、相続手続き全般に渡って、透明性が大切だと思います。
遺産分割協議以前の、例えば「相続財産を確定する」の段階で透明性を保てなかった場合、
相続人の間で不信感が生まれ、遺産分割協議が難航してしまうかもしれません。
情報を共有することが大事です。

遺産分割協議とは!

まず遺言書がある場合、故人の意思を尊重することが原則です。
遺言書がない場合や、遺言書に記載のない財産がある場合、相続人全員で話し合いをして、誰が何を相続するのかを決めます
この話し合いが、遺産分割協議です。
遺産分割協議は、相続手続きのなかでも重要なところです。
自分が何を相続できるかが決まるところであり、相続人にとって最も関心のあるところではないでしょうか。

遺産分割協議は自由にできる!

民法では、法定相続分が定められています。
相続手続きどうすればNO3で確認した、法定相続人の相続割合です。
NO3相続人を確定するはこちら
例えば、相続人が配偶者と子2名の場合、法定相続分は、配偶者1/2 子A1/4 子B1/4 です。
遺産分割協議は、この法定相続分を参考に話し合うことになります。
全員の話し合いがまとまれば、どのように相続するかは相続人の自由です。
例えば、不動産は配偶者が、預貯金は子Aと子Bが半々に相続する、ということもできます。
また例えば、配偶者が全ての相続財産を相続する、ということもできます。
故人の想い、故人と相続人との関係、これまでとこれからの生活・財産状況、相続税、不動産の売却予定があれば譲渡所得税、税金の特例措置など、
様々なことを考慮して、相続人全員が納得できるようバランス良く遺産分割協議をすることが理想です。

遺産分割協議がまとまらないときは!

とは言え、どうしても遺産分割協議がまとまらないこともあります。
遺産分割協議は、相続人全員が参加することが必須です。
1人でも遺産分割協議に参加していなかったり、1人でも話し合いに合意しなかったりした場合、遺産分割協議は成立しません。
親族関係がこじれないように、妥協も必要だとは思いますが・・・
このような場合は、裁判所を利用することになります。
まずは、遺産分割調停
遺産分割調停でも合意ができなかった場合は、遺産分割審判

遺産分割の方法は!

遺産分割の方法は、4つあります。
現物分割
換価分割
代償分割
共有

夫が亡くなり、相続人が妻・長男・長女の3名、相続財産は土地建物のみ、という例で、以下説明します。

【現物分割】

相続財産そのものを誰が相続するかを決めることです。
土地は長男が相続する、建物は長女が相続する、といった分割方法です。
1筆の土地を分筆して、一方を長男が、もう一方を長女が相続する、という方法もあります。
法定相続分どおりに分けることは難しいですが、相続人全員が納得すれば分かりやすい分割方法です。

【換価分割】

相続財産を売却してお金に換え、お金を分けて相続することです。
土地建物を4,000万円で売却して、諸経費・税金などを控除した3,800万円を分割して相続する、といった分割方法です。
妻が1,900万円、長男が950万円、長女が950万円、といったように。
不動産の場合、売却する前提として、不動産の名義を一旦相続人の名義に変更する(相続登記をする)必要があります。
また、価格変動のある有価証券などは、売却のタイミングを見極める必要があります。

【代償分割】

特定の相続人が特定の相続財産を相続して、代わりに他の相続人にお金(代償金)を支払うことです。
土地建物を長女が相続して、代わりに妻に2,000万円、長男に1,000万円を支払う、といった分割方法です。
特定の相続人が故人の事業を承継するなどして、相続財産を分散させたくない場合に有効です。

【共有】

相続財産を複数の相続人で共有することです。
土地建物を妻1/2、長男1/4、長女1/4の割合で相続する、といった分割方法です。
法定相続分どおりに分けることもできるため、公平な分割方法ではあります。
ただし、将来的に例えば売却する、賃貸するといったときに、共有の性質上自由にできなくなります。
また、将来的にさらに相続が発生すると、さらに共有者が増えて権利関係が複雑になるリスクもあります。

次回は、遺産分割協議の注意点を紹介いたします。
NO9遺産分割協議をする②(海外居住、未成年者、認知症、行方不明)はこちら